東京都老人総合研究所・旧プロテオーム共同研究グループ
(平成14年4月〜平成17年3月)



       
  1. グループリーダー

          戸田 年総 (Tosifusa Toda, Ph.D.)
    略歴・業 績等

  2. 研究テーマ

         『老化および老年病のメカニズムに関わる蛋白質に関するプロテオーム研究』

    トピックス:『プロテオームって何?』





  3. 研究目的

     アルツハイマー病パーキンソン病、筋委縮性側索硬化症、ハンチントン病、クロイ ツフェルトヤコブ病などの神経変性疾患の発症には、蛋白質のミスフォールディング(立体的な折畳み構造の異常)と特異的なユビキチン化、およびそれに伴う 蛋白質の異常蓄積が深く関わっているものと考えられております。このうち家族性に発症する若年性の神経変性疾患では、蛋白質の異常蓄積に関わりがある遺伝 子に変異がみつかっておりますが、高齢者に孤発的に発症するアルツハイマー型老年期痴呆症などの大多数の痴呆症例には遺伝子の変異は見られず、むしろ脳の 生理的な老化や酸化ストレスなどの環境要因が、神経変性の背景にあるものと考えられております。
     本研究グループが目指す究極の目的の一つは、特に脳の生理的老化と孤発性神経変性疾患に関わる蛋白質の構造的な特徴(特に酸化的ストレスによる修飾構 造)を特定し、老年期神経変性疾患の発症を抑制する方法を見つけだすことです。 我々は、酸化ストレスによって修飾を受けた蛋白質の異常蓄積は、神経系の細胞のみならず全ての細胞に共通の分子老化機構であると考えており、その研究は究 極的に全ての細胞の老化抑制法の解明につながるものと考えております。
     全ての生物は遺伝子の支配下で生きていますが、実際に細胞内で機能をしている分子は蛋白質です。ヒトの場合約2万3千の遺伝子から約10万種類の機能性 蛋白質が作られ、これによって生命が維持されていると考えられておりますが、プロテオーム研究はこれらの蛋白質を一度にまとめて(網羅的に)解析すること のできる最新の手法であり、老化に伴う変化の原因となっている蛋白質を探り当てるための最適な分析方法なのです。
     我々はプロテオーム研究手法を用いて細胞内の蛋白質を網羅的に解析することにより、酸化ストレスがどのような蛋白質をどのように変化させ、結果的に細胞 機能を低下させ、個体を老化させているのかを明らかにしたいと考えております。


  4. 平成14〜16年度の研究スタッフ(グループメンバー)



  5. 平成15年度の共同研究(対企業)



  6. 平成15年度の共同研究(対大学の研究者、および老人研内の他のグループの研究者等)



『老化 研究基盤情報/高齢者健康生活支援情報データベース』