書名 高齢者・乳幼児の不慮の事故予防マニュアル
監修 小池荘介東京医科大学医学部教授(救急医療センター長)
発行 (財)東京救急協会
(現在は絶版となっております。あわせて、こちらの「続 家庭内事故を防ぐために」もご覧ください)
目次
第1章 家庭における不慮の事故の実態
1.救急隊による搬送人員
2.事故発生場所
3.受傷原因
4.重症度
第2章 高齢者の転倒・転落事故
1.転倒・転落事故を体験した高齢者の実態調査
2.救急搬送事例(家庭内転倒・転落事故)の追跡調査
第3章 入浴中の急病・事故
1.入浴中の急病・事故の実態
2.入浴中の急病・事故の原因
3.予防策
4.異常を発見した場合の対処
第4章 乳幼児の不慮の事故
1.乳幼児の不慮の事故の実態
2.異物・誤飲による事故
3.火傷による事故
4.予防策
第5章 中毒事故
1.中毒事故の実態
2.予防策
・関連資料
§1安全な住まいのチェックリスト
§2高齢者の介護を安全に行うための注意事項
§3中毒の特性を踏まえた応急処置
・付録
・救急車の要請方法等について
内容の紹介
本書は(財)東京救急協会の設置した「家庭における救急事故の予防について」調査研究委員会(委員長 小池荘介 東京医科大学医学部教授 救急医療センター長)が平成11年3月に発行した同委員会報告書(全330ページ)を一般向けに再編集したものである。グラフやイラストを豊富に用いて事故の実態とその予防策をわかりやすく知ることができる構成になっている。
このうち「第2章 高齢者の転倒・転落事故」の第2節「救急搬送事例(家庭内転倒・
転落事故)の追跡調査」は(財)東京都老人総合研究所 看護・ヘルスケア部門が行った転倒・転落事例に対する訪問調査の結果に基づいて執筆されている。特徴としては、転倒・転落事故の原因のみの分析にとどまらず、事故の背景やその後の生活への影響など幅広くデータが示されていること、および、訪問調査の利点を生かして事故事例の紹介が豊富に加えられているいる点があげられる。また、事故の予防についても「簡単にできる対策」「少しの費用と手間でできる対策」「費用と手間をかければ可能な対策」にまとめられ、これまで予防策にありがちであった玄関や居間などの場所単位で理想的な環境を紹介する類とは異なる実践的な視点が盛り込まれている。
家庭は本来、安全、安心な場であるべきなのにもかかわらず、現実には転倒・転落事故をはじめとするいろいろな事故が発生する場となっている。本書はこうした家庭内事故の実態を把握し、その予防策を具体的に考える資料として活用できる本である。